『DGX社会における子どもの育ちと保育の課題一自然保育の再考一』
DGX社会(DX:Digital Transformation+GX:Green Transformation)の到来とともに、子どもの育ちや保育・幼児教育のあり方も問われつつあります。DXによってもたらされたAI、VRなどのデジタル技術は社会全体を大きく変容するだけでなく,新たな価値が創造されようとしています。その一方で、気候変動による地球規模での異常気象や自然災害等は、産業革命以来の化石エネルギーからクリーンエネルギーへと転換していくうえでGXの発展が必須になっています。DXとGXという2つの大きな変革の渦の中にあるなかで、未来の地球を守るために、それを担う次世代の育成と保育・幼児教育が求められています。
例えば、2025年、日本においてイタリアのレッジョ・エミリア・アプローチをテーマにした国際展覧会「ボーダークロッシングス展ー行き来する、その先へー」が開催されました。会場では、子どもたちがデジタルツールによって自らの創造性が触発され、自然を探究する様々なプロジェクトが紹介されていました。この展示は、子ども、自然、デジタルの3者を融合して新たな関係性を探ることが、これからの保育・幼児教育の課題であることを再認識させるものでした。それと同時に、ヒューマニズムを見直す動きのなかで、そのアップデート、モアザンヒュマーン、新マテリアリズムなど、子どもと保育・幼児教育を根源的にとらえなおす議論も活発になっています。
そうした流れのなかで、自然保育をどのように位置づけ、その存在価値を実践的かつ理論的に見出していくことが重要になっています。大会は11回を迎え、自然保育学会も新たなステージを迎えています。参加者のみなさんとともに、自然保育の未来について語り合う機会になることを楽しみにしています。
日本自然保育学会第11回大会実行委員長 村上博文(白梅学園大学)