「日本自然保育学会」は、子どもの健やかな育ちのために、
自然環境や地域資源を活用する保育・幼児教育をめぐる研究を深め、
その普及をめざす学際的な学会です。
このたび、あらたに日本自然保育学会の会長に選任されました上越教育大学の山口美和です。この場をお借りして、会員の皆様に就任のご挨拶を申し上げます。
日本自然保育学会は、「自然環境や地域資源を活用した体験活動を重視する保育、幼児教育、子育て支援等(以下、「自然保育」という)、ならびに自然保育の理念を共有する学童期以上の教育に関する研究及び実践の普及を期し、会員相互及び内外の関連学会との連携協力等を行うことを目的」としています(会則第2条)。2015年11月に発足し、設立から8年目を迎える2023年現在、おかげさまで個人・団体をあわせて150名を超える会員を有するまでになりました。
本学会は、毎年秋から冬にかけて学会の年次大会を開催するとともに、学会誌『自然保育学研究』をこれまでに5回発行して参りました。学会設立当初は、わが国の中でも「自然保育」という新しい分野に関わる研究が緒に就いたばかりで、投稿論文数も限られておりましたが、自然保育の理念に賛同して本学会に入会する研究者や実践者が増えるにつれ、少ないながらもすぐれた研究論文が発表されるようになり、心強く感じております。
本学会は、自然保育に学術的にアプローチする研究者だけでなく、現場で自然保育に取り組む保育実践者や、地域への自然保育の普及を進める行政関係者など、幅広い自然保育の関係者が入会できることを特色としております。自然保育というあらたな学問領域に多角的にアプローチし、子どもの育ちと自然とが交わるところに生じる出来事を、多様なアクターが豊かな言葉で語りあうことのできる場でありたいと願っております。
このように、会員のみなさまのおかげで、成長しつつある本学会ですが、課題もあります。会長としてご指名をいただきました3年間の任期の間に、以下の3つの課題に取り組み、改善してまいりたいと思います。
(1) 学会財政の改善
本学会はまだ発足からの歴史が浅く、会員数が少ないことに加え、保育者が入会しやすいようにと年会費をとりわけ低く設定していることから、恒常的な財政難に陥っております。この状況を改善するため、さまざまなチャンネルを通して学会の魅力を積極的に発信して、会員数の一層の増加を図るとともに、年会費や支出の見直しを段階的に進めることにより、財政状況を改善することを目指します。
(2)自然保育の実践・研究の推進
2021年度より、学会の委員会として「実践・研究部会」を設置してきたところですが、実質的な活動の開始には至っておりませんでした。このため、同部会をこのたびの組織改変で「実践・研究推進委員会」に改め、実践者と研究者が集う本学会ならではの企画を、委員会が中心となって年1〜2回程度開催することを目指します。企画を通して、実践者と研究者の対話を深め、両者の協働によるすぐれた実践研究が生まれるための土台づくりを進めたいと考えます。
(3)情報公開による学会運営の透明化
設立から8年目を迎える学会ですが、会員数の増加と活動の拡大に伴い、規程の不備や不足があることも明らかになってきました。このため、不足している規定類を早急に整備するとともに、学会運営に係る議論の過程を明確にし、会員の皆様への情報公開を行うことにより、運営の透明化を図っていく所存です。
個人的にも、自然保育の推進に貢献する研究に一層真摯に取り組み、この学問分野の発展を牽引する役割を自認しつつ、会長としての責を果たしたいと考えております。会員の皆様には一層のご支援を賜りたくお願い申し上げますとともに、自然保育への関心の輪が広がり、より多くの皆様に本学会にご入会いただけますことを心より願っております。
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郵便局備え付けの振替用紙で下記口座に年会費をお振込ください。
金融機関 | ゆうちょ銀行 |
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口座名義 | 日本自然保育学会 |
口座番号(ゆうちょ) | 11120―25886131 |
口座番号(他金融機関) | 一一八 店(イチイチハチ店) 普通 2588613 |
年会費 | 個人会員 3,000円 団体会員 10,000円 賛助会員 5,000円(一口) |
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入会申込書と年会費入金の確認をいたします。
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確認次第、会員番号のご案内をもって、入会手続き完了のご連絡に代えさせていただきます。
なお、会員の登録は入会後から毎年度自動的に継続されますので、退会される場合にはお問い合わせより必ず事務局へ届け出てください。また、会員情報に変更が生じた場合は、会員情報管理(会員情報確認・変更)よりご自身の登録情報の確認・変更をオンラインで行ってください。